収益物件を相続した場合の遺産分割とは?法定果実とはなにか

収益物件を相続した場合の遺産分割とは?法定果実とはなにか

財産を相続して収益物件があった場合、収益物件で発生した家賃や土地代はどのような扱いになるでしょうか。
相続した人が何人もいる場合はどうなるのでしょうか。
家賃や土地代も相続財産のうちに入っているとみなし遺産分割の対象となるのか、ならないのか、判断が難しいと思います。
相続人の間でトラブルが発生しないためにも、受け取ることができる割合などについて知っておきたいものです。
今回の記事では収益物件を相続した際の遺産分割についてまとめました。

収益となる法定果実とは

収益となる法定果実とは

収益物件から生じる家賃や土地代の対価は法定果実と呼ばれています。
銀行預金の利息なども、法定果実といいます。
果実、という言葉からみかんやバナナなどの果物を連想する人も多いと思いますが、考え方の方向性は間違っていません。
収益となる法定果実はバナナなどの果物にあたり、収益物件や土地や預金などの元物は木というイメージだからです。
木に果物がなっているところを想像してもらって問題ありません。

法定果実は相続が始まった後から帰属先が問題となる

相続が始まる前の法廷果実は、分割される前なので、被相続人のものとして扱われます。
それらも含めて相続財産となり、法定果実としての帰属先は問題にならないでしょう。
相続が始まった後から、遺産分割が行われるまでの法廷果実の帰属先は問題となります。
相続が始まってから生じた法定果実について、取得をめぐるトラブルもあったそうです。
現在は基本的に、相続が始まったあとから生じた法定果実となる収益物件の家賃などは、遺産分割の対象とはなりません。
これらの法定果実は、法定相続した割合によって、それぞれの相続人が取得します。
収益のある賃貸物件を所有していると管理費も生じますが、管理費なども、法定相続した割合によって各相続人に支払い義務が発生します。

実務上の法定果実についての取り扱い

法定果実は、相続が始まった後は遺産とならず、それぞれの相続人が相続分に応じて取得します。
しかしそれぞれの相続人が法定果実を別々に請求することは手間になります。
実務上の利便性の都合により、法定相続の分も含めて、遺産分割の対象と考えた上で相続の手続きが行われます。
普通は収益物件を取得した相続人が、相続が始まった後で生じた家賃を取得することになります。
収益物件を取得した相続人は、各々が別々に家賃請求する必要はありません。
収益物件の借主側も安心して家賃を支払うことができます。

遺産分割協議前の法定果実の扱われ方

遺産分割協議前の法定果実の扱われ方

収益物件の相続人が何人もいる場合、遺産分割が行われます。
この協議は、時間がかかることもあるでしょう。
協議される間、収益物件は何人かいる相続人のうち、誰のものになるか決まっていません。
相続人が決まっていない間も収益物件から家賃や土地代などの法定果実は生じ続けることになります。
遺産分割協議が成立するまでに発生した法定果実は誰のものになり、修繕費や管理費などは誰が支払うことになるのでしょうか。

遺産分割協議成立までは収益物件を相続人全員で共有する

相続が始まってから遺産分割協議成立までの期間は、収益物件は相続人全員で共有することが原則として民法により定められています。
これに従って収益物件から発生した家賃や土地代などの法定果実も相続人全員で共有するという扱いになります。
収益物件から生じる法定果実も、相続人の持分によって取得する権利があります。
管理費や修繕費なども共有することになるので、費用は共同で支払う負担が発生します。
こういった費用の支払い義務は、遺産分割は相続が始まった時にさかのぼって発生するのですが、遺産分割協議成立以前から生じていた法定果実について、分割した後の持分によって負担が生じるのでしょうか。

遺産分割される前の法定果実の扱い

現在では、相続が始まってから遺産分割が決定するまでの期間に生じた管理費や修繕費などの支払い義務は、遺産とは別の財産とされています。
遺産分割される前の法定果実である家賃や土地代は、分割後の結果によらず、共有した状態を考えて持分も決定します。
法定相続分として分けられた分を、それぞれの相続人が受け取るのが原則です。
しかし例外もあり、相続人全員の同意により、遺産分割の対象とすることもできます。

遺産分割協議後の法定果実はどうなるか

遺産分割協議後の法定果実はどうなるか

遺産分割協議成立の後に収益物件で発生した家賃や土地代などの所有権についても、遺産分割の際に所有権を取得した人のものになります。
何人かの相続人が共有して相続することになった場合は、発生する家賃や土地代なども、共有した分に応じてそれぞれが受け取ります。
収益物件にかかってくる不動産所得の所得税についても、確定申告は所有者である相続人それぞれが行うことになります。

収益物件の相続手順とは

賃貸物件を所有し不動産業をしていると、運営者が必要となります。
物件のオーナーだった人が亡くなった場合、遺産分割の決定前であっても暫定的な運営者を決めなければなりません。
暫定的な管理者は、管理や修繕について相談を受けたり、賃借人とのやり取りでオーナーの変更などを伝えたりします。
管理会社にまかせているだけではなく、家賃や土地代の変更について賃借人に伝えるなど、窓口となる役割をすることになります。

収益物件の残債などを把握

収益物件は、相続の際に残債が残っているケースが多いです。
金銭消費貸借契約の内容を把握するために金融機関に確認をとり、残債がどれくらい残っているのか知っておかなければ、毎月の返済額も分からないままになってしまいます。
この際、登記簿謄本も確認しておけば、収益物件がどのくらいの抵当権をつけられているのかも把握できます。
収益物件の評価は慎重にしましょう。
評価額が低く残債を下回っている場合、収益物件を相続しても実質は債務を相続してしまっているという可能性もあります。
ケースによっては相続を放棄することもあるので、評価は慎重に行いましょう。
もし債務を相続してしまうと、法定相続した分がそれぞれの相続人の負担となってしまいます。
このようなケースも視野に入れておき、遺産分割協議の際は相続人全員で話し合ってください。
すでに特定の相続人が収益物件の管理者となっているケースでは、自分以外の相続人に対して、それぞれが不利にならないように収支のついての情報を開示して共有するようにする必要があります。
収益物件の評価は、公正に行わなければなりません。
不動産に関する一括査定サイトを利用すれば、不動産会社の複数の査定を受けることも可能です。

遺産の所有者を決定する

遺産分割協議では、どのように遺産を分割するのか話し合い決定します。
相続人の調査を行い、個人の相続財産の評価をした上で分割の割合などを決めます。
収益物件については財産の評価が難しいことが多いです。
後からトラブルが発生しないためにも、協議の際は遺産分割協議書を作成しておくと安心です。
全員での協議が終わると、収益物件の所有者が決定します。

登記名義の変更や引継ぎの手続き

収益物件の名義を亡くなった人から相続人へ変更することを相続登記といいます。
収益物件の登記名義の変更について義務付けはありませんが、登記名義が亡くなった人のままだと物件の売却ができませんし、変更しないことで他の相続人とのトラブルとなる可能性もあります。
さらに、相続登記をしないままにしておくと、収益物件の賃貸人であることを賃借人に対して主張できず、不都合が発生する可能性が考えられます。
このようなケースを想定し、登記名義は変更した方が良いでしょう。
収益物件の登記名義変更を行った後は、賃貸借契約などを引き継ぐ手続きも行ってください。
賃貸人の地位は、民法により相続人へ承継されることが決まっているため、新たに賃借人と賃貸借契約を結ばなくても大丈夫です。
家賃や土地代などの賃料支払いについては、支払い先の変更通知を行う必要があります。
物件の管理を管理会社が行っているケースでは、通知方法などについて管理会社に相談してください。
亡くなった方が物件にかけていた火災や地震の保険なども調べ、保険の名義変更が必要な場合は変更しましょう。

まとめ

収益物件などの財産を相続した場合、その物件から生じた家賃や土地代などの扱いはなどを知っておく必要があります。
家賃や土地代などは、遺産分割協議の前と後では取り扱いが変わります。
特に、遺産分割協議の前は、法定相続分の法定果実を受け取る権利は全ての相続人にあるので注意が必要です。
トラブルなどがおきないよう、相続人同士で慎重に話し合い情報を共有しながら相続手続きを進めていきましょう。
経費の処理に迷ってしまった場合は、自分で判断せず税務に関わる専門家からアドバイスを受けたほうがよさそうです。

領収書をなくしてしまった場合

不動産収入の経費計上の際、領収書が見つからないことがあるかもしれません。
領収書をなくしてしまうこともありますし、場合によって領収書がもらえないケースもあります。
領収書がなくても、代わりとなる詳細なメモなどがあれば計上できるので、安心してください。
領収書がないときはメモを残すのを忘れないようにしましょう。

まとめ

物件を所有し家賃収入があると、確定申告が必要です。
家賃収入のみで生活していても、給与収入があっても確定申告は行いましょう。
不動産による所得が20万円以下で確定申告不要の場合も、申告はしておいたほうがお得です。
必要書類を集めて準備を整えてから確定申告にのぞみましょう。