アパートなどの賃貸経営で考える必要があることは、利益を最大化することです。
空き室を出さないようにしつつ、家賃を高く設定するための設備購入として、インターネット回線の導入があります。
無料でインターネットが使用できる物件は人気が高く、引っ越してすぐにネット回線に繋げるので入居の決め手となることも多いです。
インターネット回線の導入は、アパート経営における大切なポイントです。
Contents
インターネット設備導入のメリットとは
入居希望者が賃貸物件を探す場合、アパートなどの賃貸物件に無料のインターネット設備が設置されているかどうかは大きなポイントです。
インターネット設備が導入されていない物件だと、入居後に自分で回線を引く手続きをし、工事費用を負担することになるからです。
近年になり、パソコンやタブレット、スマートフォン、ゲーム機の利用者が増えました。
賃貸のお部屋探しでネット環境の有無を重視する人も増えているのです。
インターネット無料の部屋は入居者から人気がある
全国賃貸住宅新聞が発表した平成30年の調査で、入居者に人気がある設備ランキングのうち、平成29年から連続でインターネット無料の設備がナンバーワンだったそうです。
この調査は単身者向けの部屋でも家族向けの部屋でも結果が同じで、インターネット無料の設備があれば、家賃が高くても入居したいと考える人は多いようです。
現代ではインターネットは日常生活に欠かせないものであり、Wi-Fiのある部屋も普及しています。
今後も、インターネット無料設備の需要は高まっていくでしょう。
インターネット導入で空き室対策が期待できる
アパートなどの賃貸物件にインターネット設備を導入する目的は、空き室対策です。
入居率を確保するために、無料のインターネット設備導入は有効な対策となります。
入居希望者は、候補となる物件が複数あった際、無料で利用できるインターネット設備があると入居しやすくなる可能性があります。
特に、学生さんや若年層はインターネット利用率が高いため、学生さん向け・若年層向けの物件では無料インターネット設備が完備されている部屋が埋まりやすい傾向があります。
継続して空き室があった賃貸物件でも、無料で使えるインターネット設備を導入した物件として募集をかけると、空き室が早く埋まりやすいそうです。
空き室が続いて困っている場合は、インターネット設備を導入する価値があるかもしれません。
インターネット導入で利回り向上効果にもなる？
アパートに住み個人でインターネット回線の契約をするよりも安くなる場合、部屋の家賃が少し高くても入居の決め手となる可能性があります。
賃料アップできれば、利回り向上の効果も期待できるでしょう。
アパートの年数経過による賃料の値下げをしなくても、入居者確保の期待ができるでしょう。
有線方式と無線方式の違い
アパートやマンションなどの賃貸物件経営は、長期間にわたり継続する事業です。
一方で、インターネットの設備を整えてもインターネットの技術革新は続き、ネットをめぐる環境は進化し続けています。
入居者のためにどのような設備をどの程度整えておくか、考えておく必要があります。
先を見越して設備を導入した方がよいと思われます。
無料のインターネット設備を完備する
光ケーブルなど固定のインターネット回線を使用できる賃貸物件は一時期好評でしたが、家賃が高めになったり、スマートフォンなどの普及により固定回線のインターネットが不必要になったりと変化してきました。
以前は評判が良かったサービスですが、携帯電話会社のインターネット契約が普及したことなどもあり、現在は限定的な優位性になっているといえるでしょう。
モバイルの技術革新や設備の費用と効果のバランスを考えて導入する必要があります。
主流になってきた無料Wi-Fi設備
最近では、無料のWi-Fi設備が主流になってきており、アパートやマンションなどの賃貸物件において無料Wi-Fiを完備するケースが増えています。
物件の全戸にWi-Fi機器を導入している物件もあれば、建物の共有部分のうち何か所かに機器を設置することで全戸のWi-Fiをカバーしている物件もあります。
使い勝手を考えると、繋がりやすさが魅力となる全戸設置タイプのWi-Fi機器が良いと思われますが、オーナーの負担を少なくするというメリットを取るなら、賃貸物件の共有部分に何か所かWi-Fi機器を設置した方が費用も安く抑えられるので良いでしょう。
インターネット関連機器の業者や通信会社は数多くあり、似たようなサービスを提供しているので、設備導入の際は複数の会社を見てサービス内容を比べてみてください。
インターネットの技術は新しいものですし、これからも常に変化していくでしょう。
変化することがわかっている技術ですから、後々変更が難しい設備を導入することは避けた方が無難ですし、高額投資にも向かないでしょう。
ただ、後々の変更が比較的簡単で、取り外しもしやすい無料Wi-Fi設備は、シェアが拡大していくと予想が立ちます。
有線方式にはメリットもある
有線方式とは、必要な際は各部屋にWi-Fi機器を置けるように、各部屋までルーターからLAN配線を行う方式です。
この方式ではWi-Fi機器を室内に設置するので、部屋が広くても電波が届きにくいということになりません。
鉄筋コンクリート造のアパートでも大丈夫ですし、接続は良い状態を確保できます。
有線方式なら、有線LANも利用できるので、回線の品質を重視する入居者にとって歓迎されるポイントとなります。
ただ、有線の配線は部屋ごとの工事が必要になってきます。
無線方式のメリットとは
無線方式の場合、機器を共有部に設置するので、工事の手間もメンテナンスの手間もあまり気にならないでしょう。
共有部分のみの工事になるため、費用もそれほどかからず有線方式より安価になります。
さらにメリットとして、Wi-Fi機器にトラブルが発生しても、共有部分にあることで入居者の協力を要請しなくてもトラブル解決できます。
無線方式で導入するケースでは、賃貸物件の外壁や共有部分に機器を設置し、そこから各部屋へ電波を飛ばすことになります。
外壁の状態などケースによっては設置できないこともありますが、基本的に電波が届く範囲内の各部屋が40㎡以下の賃貸物件や、木造の2階建てアパートなどで導入可能です。
Wi-Fi機器を設置しても距離の問題があったり障害物があったりして電波が届きにくくなり、実際入居してみても電波が弱すぎて使えないということもあるので、クレームの原因とならないよう電波のテストをして強度を確かめることが必要です。
インターネット回線の専門業者に最適な接続の仕方を習うのも良いでしょう。
インターネット設備を導入する際のコストや注意点とは？
インターネット回線の設備を賃貸物件に導入する際、回線を引き込むために初期費用がかかります。
費用は、アパートの戸数にもよりますが、だいたい戸あたり5万円ほどです。
初期工事費用は5万円ほどで、さらに保守費用も必要になってくるので毎月500円ほどかかってきます。
この費用は賃貸物件の規模によって異なりますし、インターネット回線が有線か無線かでも違ってくるので数社の専門業者をあたり見積もりを出してもらって費用感を把握しましょう。
保守費用は毎月かかるので注意
インターネット回線の設備は、導入する際に初期工事費用がかかります。
また、毎月保守費用もかかってくるため、設備を導入することでキャッシュフローが悪化するケースも考えられるので注意してください。
家賃設定の安さがポイントの賃貸物件の場合、家賃が少し高くなってしまうだけで入居者が付きにくくなる可能性もあります。
保守費用として発生するコストの分を、家賃に上乗せすることで補うのは難しい場合もあるでしょう。
インターネット設備は保守費用として継続的にコストがかかるので、設備導入する際は入居者層などを見て十分に検討してください。
インターネット設備導入より、リフォームなどをした方が空き室対策として効率が良いケースもあるかもしれません。
導入コストを抑えたい場合、無料プランのある条件付きのインターネット回線を導入する方法もあります。
プロパンガスの物件で、プロパンガス会社を変更する際の契約内容に、提携会社のインターネットが無料で導入できるというプランがあるケースがあります。
導入コストを安く抑えたいなら、このようなプランを用意している会社を探してみるのも良いかもしれません。
インターネット導入をする場合のアパート経営における注意点
アパート経営において、物件のインターネット対応が無料と謳う場合は、すでに入居している住人からあらためて費用を徴収できません。
追加で徴収することは難しいですが、物件の価値としては高くなるので、インターネット設備導入は退去抑制効果につながる可能性があります。
現代社会ではインターネットは生活に不可欠なものです。
無料で利用可能なインターネット設備を備えている物件は、競合する物件よりも入居者確保の面で有利になるでしょう。
まとめ
アパート経営において大切なポイントとして、利益を最大化することがあります。
入居者を確保し、空き室対策を行い、物件を借りてもらいやすいように設備を見直すこともあるでしょう。
インターネットが普及している現代、無料で使用できるインターネット設備がある物件は入居者から人気が高いです。
インターネット設備の有無が入居の決め手となることも多いので、設備導入を検討してみても良いでしょう。